過払い金が戻らないケースって?
残念なことに過払い金請求では時効などによって回収ができないケースがいくつかあります。その理由について詳しく解説しましょう。
過払い金が戻らないケースとは
過払い金があっても戻ってこない理由として考えられる、「時効」「業者の倒産」「悪徳な違法業者」といったケースについて解説します。
時効
過払い金請求には時効があり、消費者金融と最後に取引をした日から10年以内に行わないと請求する権利が消滅してしまいます。
このときの最後に取引した日とは、つまり完済日のこと。
例えば、2006年1月1日に完済した場合には、2016年1月1日に過払い金請求の時効成立となります。
時効のあとから過払い金を請求をすることはほぼ不可能です。
ただし、完済後に再び借入れをしていたときにはまた話が違ってきます。
借金を完済したあと再び同じ業者から借入れをする人は少なくはありません。
この場合の時効はいつになるのか、例を参考に説明してみましょう。
Aさんが2001年1月1日にB社でローンを組んで、2003年1月1日に完済したのを取引Cとします。
次にAさんが2003年6月1日に再びB社でローンを組み、2007年1月1日に完済したのを取引Dとします。
この場合、取引Cだけを見ると時効は2013年1月1日、取引Dの時効が2017年1月1日となります。
一見すると取引Cでは時効が成立しており、過払い請求の権利も失ったように感じられます。
しかし実はこの事例だと、取引CとDの間の日数があまり空いていないため、2つの取引は一連の取引であるとして主張でき、過払い請求も可能なのです。
一連の取引であるとすると、取引CとDの時効は、取引Dで借金を完済した日付の10年後、2017年1月1日の1本にまとめられます。
ここで大切なのが2つの取引が一連のものであるかどうかの判断です。
取引の間隔が比較的に短いこと、2つの取引の契約書やカードを同じ物で行われていたなら一連の取引であることを主張しやすくなります。
倒産
たとえ過払い金を請求しようとしたとしても、その消費者金融が倒産してしまっていたとしたら、回収は非常に困難になります。
実は消費者金融の中には経営不振に陥っているところもあり、倒産してしまう業者も少なくはありません
倒産する理由としては、過払い金請求もその1つ。
過去にキャッシングの利子を高く設定していた消費者金融には過払い金請求も多く、その返還のために経営が傾くケースも見られます。
違法業者
違法業者からの過払い金の回収は、まず不可能だと思っていいでしょう。
過払い金請求を行えるのは、あくまで正規の業者が対象。
加えて違法業者は利息制限法の上限金利を無視した貸し付けを行ったりと、手口が悪質なため、お金を借りる際には間違っても利用してはダメ。